大鳥池釣行前編

 

去る2016年9月14日-15日
朝日連峰にせき止められて出来た大鳥池に
一泊二日の初釣行に臨みました。

その時の様子を2回に分けて
投稿させてもらおうと思います。

第1回目は、大鳥池までのトレッキングの様子。
2回目は釣行の様子と考えています。

大鳥池は、
知る人ぞ知る〝タキタロウ伝説〟で有名な
標高963mに位置する
最大浸水68mの池と言うよりは湖です。

今から30年前に
釣りキチ三平という漫画に登場するO池が
この大鳥池を指している事は
釣り人の間では有名な話でした。

大鳥池に行くには
まず朝日屋旅館に入山届を出し
遊漁券を購入するところから始まります。

赤川水系の遊漁券の年券が4,500円
一日券が1,050円なので
何回かこのあたりで釣りをする事を考えれば
断然年券が良いのです。
しかし、年券の有効期限が
毎年4月1日から9月30日までなので
9月14日という時点では
一日券が妥当ということで
二日分を購入することにしました。

この朝日屋の玄関には
50センチちかい大イワナの魚拓が
ベタベタと張り巡らされていて
思わず釣り人としての気持ちが高鳴ります。

ここから、車を30分ほど走らせて
車止めの泡滝ダムまで行き
そこからいよいよトレッキングが始まります。

推定15キロオーバーのザックには
食料や燃料、着替え、寝袋の他、
池の中に入って釣りをするので
ヴェーダ―という胸まであるゴム長靴と
フライロッド、そして、釣り道具一式を詰め込むため
かなりの重量となります。
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飲料水に関しては
山道のところどころに湧き水があるため
800mlの水筒があれば十分。

駐車場で記念撮影をして、いざ出発。

この日は雨男の僕には珍しく、曇り空で
トレッキングには暑くもなく、寒くもなく
雨に濡れての不快感もなく、絶好の登山日和。

ただ、一面雲に覆われているので
ロケーション的には少し残念な感じ。
約3時間半のコースを歩きだしました。

基本的に僕はハイパー方向音痴なので(笑)
この二日間、知人の登山家が同行してくれることになり
道に迷う心配はなくなったものの
不安もなくはなかったのです。

というのも、40代の時に痛めた膝
(もともとは3歳の時に風呂敷マントを首に巻いて、オルガンの上から勇ましくスーパーマンの様に飛び上がり、自由落下の法則にしたがって膝から落ちて、膝の皿を割ってから、屈伸運動を避けてきたので、膝周りの筋肉が極端に弱い)

がいつ痛み出すか
トライしてみないと分からないという事情がありました。

 

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一応、この日のために1年かけて体重を7キロ減らし
週に2回を目安にジムでジョギングや
筋トレを行ってきましたが
15キロの荷物を背負ってのトレッキングは
40歳の時に同じ様な環境で登山したとき以来。

そしてその十数年前、丹沢登山をした帰り道は
両膝の裏の関節が悲鳴を上げ
激痛と戦いながら背中に脂汗をかきつつ
下山した記憶が体に刻み込まれているのです。

しかし、釣りバカという種族はどうしようもないもので
「それでも大鳥池で釣りをしてみたい」という思いは留まる事がなく
この日の釣行となったのでした。

この日のためにひと月前に
予行演習を兼ねて標高1000mの〝白鷹山〟に
登山をしたのですが
その時と明らかに違っていたのは
異常に体が軽いのです。

足に羽が生えたように…
とまではいかないのですが
兎に角、足取りが軽いのです。

その時、僕は気づきました。
白鷹山と大鳥池、標高はほぼ同じ…
そして白鷹山登山時は荷物が5キロにも満たないのに
大鳥池は15キロを超える。

なのに、大鳥池に向かう足取りの方が明らかに軽いのです。

一体、どうしてか?
その答えはただ一つ。

大鳥池には単に山に登るというゴールではなく
大鳥池で釣りがしたい!
それが僕のゴールだったからだという事です。

つまり、「釣りがしたくてしたくて仕方がない」という思いで
大鳥池をゴール設定しているから
モチベーションが全く違っていたのです。

これはネットビジネスにおいても
同じ様な事が言えるのではないかと思いました。

つまり、ネットビジネスに
成功したくて成功したくてたまらない…
という思いがモチベーションであるとすれば
どんな困難な場面をも克服できるのではないかと…

大鳥池までには
冷水沢吊り橋と七ツ沢吊り橋の二つの吊り橋があり
そこが基本的な休憩地点となっています。

 

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冷水沢吊り橋までの道のりでは
崩れかかった崖道を越えていかなければならないし
道幅が狭いところが随所にあり

 

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もし、足を踏み外そうものなら
崖から転落、一貫の終わり…という様な
危険な道が多かったので
慎重に足を運ばせました。

なんとか冷水沢橋を越えて
第二の休憩地点である
七ツ沢吊り橋に至る途中の道で
事件が起きました。

その足場はとても不安定で
一層道幅が狭く
川側の道は断崖という危険な場所で
急に後ろから「グワーオォォォー」という
唸り声が聞こえました。

「く、熊だぁ!」と認識すると
全身の毛が逆立つではありませんか?

丁度、数日前、新聞の広告欄に
つり人社から出版された「熊!に出会った、襲われた」
というタイトルの
釣り人が熊と遭遇した時のエピソードが記された
本の紹介があったので
脳裏にインプットされていたのでした。

それで、パニック状態に陥り
足場の悪い場所で危うくバランスを崩しかけながら
声の主を探して振り返ってみる。

「???」

相変わらず低い唸り声が「ゴオォォォォ~」とするのに
肝心の熊の姿が見えない。

「???」

しばらくして
その唸り声が頭上からする様になり
やがて、遠ざかっていく。

「???」

実に人騒がせな話です。

その声の主は熊ではなく
山形空港にでも向かう飛行機の轟音だったのです。
ヘナヘナと腰砕けしそうになりながら安堵のため息。

そんな珍道中もいよいよ8合目に差し掛かり
いよいよ、右足の膝裏の関節が
悲鳴を上げだしてきました。

右足を庇いながら歩いていくと
今度は腰痛が始まり
最後には左足の膝裏も
悲鳴の合唱を始める様になりました。

特に最後の30分は
坂の勾配も角度を大きく増し加え
山道のアップダウンも激しいために
足腰にかかる負担がより一層大きくなり
何度も立ち止まっては
痛みに耐えながら一歩一歩進んでいきました。

登頂から約3時間30分。
ようやく、憧れの聖地
大鳥池が眼下に姿を現したとき
痛みも忘れて呆然とその姿を見つめると
そこには簡単には人を寄せ付けない
自然のままの大鳥池が
僕の到着を待ってくれていたのでした。

 

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続く

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Toshiya Oki

Toshiya Oki

五十肩に苦しむ50代のオヤジです。趣味は海や川での釣りで、頭の中の大半は魚で埋め尽くされてます。イメージとしては、釣りバカ日誌の〝浜ちゃん〟をもう少しスリムにした感じ。とは言っても下手の横好き的なレベルなので、うんちく系の話は得意ではありません。 現在、少し心理学を勉強しているので、ブログには心の栄養になる様な内容を綴っていきたいと思っています。人間関係では人並みに悩んできた方だと思いますので、若い人たちがこれからぶつかる悩みや、心の中に残っているシコリみたいなものを解きほぐす役に立てたらいいかと思います。 プラス一緒にネット収入をどうやって獲得していくかを皆さんと一緒に考えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

大鳥池釣行前編」への4件のフィードバック

  1. itchann より:

    熊でなく飛行機でしたか。

    こちらも安堵しました…(^^ゞ

    1. Toshiya Oki Toshiya Oki より:

      コメントありがとうございます!

      お騒がせしました
      安心してください、生きてますよ!
      ちょっと古いかな…

  2. おっちゃん より:

    トシさん、こんばんは
    大鳥池は、完全な登山で、釣り竿もあり、装備も大変でしたね。大鳥池、きれいですね。片道約3時間30分、このルートを2日間と思うと・・・。釣り好きにはたまらないでしょうね。今後ともよろしくお願いします。

    1. Toshiya Oki Toshiya Oki より:

      おっちゃん、ありがとうございました。
      登頂直後は、両膝の激痛と腰痛で「二度と行かない!」と思いましたが、今は「また来年行こうかな…」と。
      薬があっても治らないバカですね(笑)

      コメントありがとうございました。

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