仕事がバタバタしていて、更新が遅れてしまいましたが、
「大鳥池釣行 後編」を書いています。
現在2時45分。
普段は12時に寝て、5時に起きる生活をしていますが、
昨日は出張の疲れ&風邪のため体調が悪く、
夕飯を食べて19時には泥酔ならぬ泥睡し…
深夜2時に目が覚めてしまい、
眠れないので記事の更新をしています。
人が活動を休止していて、人の気配のない深夜は、
一人で集中するのにとても適しています。
この大鳥池には当日、宿泊客はだれもおらず、
僕と相方の二人だけでした。
人気のない大自然にたった一人で臨むという経験は
なかなかできないものです。
相方の目的は大鳥池の更に上にそびえ立つ
大朝日岳に登頂することなので、
実質的に、この大鳥池にいる人間は、
たった一人、僕だけだったのです。
生憎、曇り空で時折、
小雨がポツポツと水滴を垂らす湖面に、
ヴェーダ―という胸まである長靴を履いて、
どっぷりと腰まで漬かって、
釣りをするのです。
静寂を貫いて、
時折発するカワセミの鳴き声以外には
音のない沈黙の世界…
風の匂いと冷たい水の感触。
全く人を寄せ付けない、
大自然が目の前にある。
この不可思議な感覚は、
体験してみないとわかりません。
そんな感慨にふけりながら
釣りをするのは贅沢以外の何ものでもありません。
今回、僕が持ってきた釣り道具はフライロッド2本。
もう20年以上も前にアカデミー賞を受賞した映画
「リバーランズスルーイット」で一躍ブームになった
フライフィッシングの道具です。
この映画はロバートレッドフォードが監督し、
若き日のブラッドピットを一躍有名なスターにのし上げた
アメリカ、モンタナ州の大自然を舞台にした映画です。
ところで、基本的に「下手の横好き」レベルの僕は、
キャスティングの技術も未熟で、
僕のレベルのスキルでは太刀打ちできないのが
この大鳥池である事が判明しました(笑)
あらかじめ情報でわかっていたのですが、
この大鳥池はフライフィッシングには
極めて不向きな池なのです。
というのも、うっそうとした木々が池の全周を囲んでおり、
フライフィッシングに必須の
バックヤードがある場所がほとんどないのです。
唯一といってもいい
バックに障害となる木々がない箇所が
1か所だけありましたが、
そのポイントは遠浅になっています。
そのため、
魚の住みかとなれる深くえぐれた場所や、
流れのある場所ではないので、
その先の水深が深くなっているポイントまで、
かなりの遠投をしなければならないのです。
しかし、肝心の遠投力が僕にはありません。
胸近くまで水没しながら、
あちらこちらポイントを移動して
釣れたのはリリースサイズの15センチにも満たない
チビイワナとチビハヤ数匹…
時間がどんどん経過していきます。
昼飯もそこそこに熱中し、
3時間以上経過しましたが、
釣果が思わしくありません。
ずっと水の中に使っているので
体温もかなり低下してきます。
その日は残念ながら、
曇り時々雨の日でもあったので、
太陽が体を温めてもくれません。
そして僕にとっては
かなりのハードワークだった山登りで痛めた膝の裏が
ズキズキと痛み出してきました。
さっきまであれほど感動していた高揚感はどこへやら…
「やっぱり自分には早すぎたのかな?」
「もっとスキルをつけなければ挑戦自体が無謀だったのかな?」
などマイナス的な発想が浮かんできます。
兎に角、このままでは
せっかくイワナの塩焼きを
楽しみにしている友人にも申し訳ない…
そこで大鳥池には見切りをつけ、
大きくポイント移動しました。
山小屋の付近に水門があり、
その水門から川が流れているところに
せき止められた堰堤があります。
その堰堤の流れ込みは
おそらく上流から流れてくる
エサを待ち構えるイワナがいるはず…
本来の目的は大鳥池のイワナを
釣る事なのですが、
食料事情という逼迫した?(笑)課題を
クリアしなければなりません。
背に腹は代えられない…というヤツです。
痛みを抱えながら、
ポイント移動し
日没までの30分に勝負をかけます。
渓流に住む魚は人間とは違い、
一日2食と言われています。
夜明けと日没、いわゆる〝朝まずめ〟と〝夕まずめ〟。
そのうちの夕まずめに
食糧確保の願いをかけました。
使用するフライはドライフライといって、
鳥の羽などを針に巻いて浮力を持たせ、
水面に浮かせるタイプです。
今回チョイスしたのは
「オールパーパス パラシュート #14」という、
水生昆虫の成虫が
水面に浮かんでいる状態を模したヤツです。
このフライが川の流れに合わせて
自然に流れていくのを演出すると、
イワナが水面を割って、
ガバッっと食いつく瞬間、
タイミングを合わせてフッキングするのです。
このような釣りをサイトフィッシングといい、
捕食する瞬間を目で見ながら釣るので
興奮の度合いはとても大きいのです。
結果、わずか5分で
2匹のイワナがヒットしました。
サイズは25センチと20センチ強…
大きいとは言えませんが、
十分食べられる大きさです。
なんとか面目を保ちました。
これで仲良く1匹ずつ食べられます。
夕食は釣ったイワナの塩焼きと
カップラーメンにドライカレーと
梅こぶ茶(笑)にチーズなど。
やはり自分で釣った魚を
その場で調理して食べるのは
実に美味しいものなのです。
夕食が終わると辺りは真っ暗。
山小屋も平日は照明がないために
あとはそのまま就寝。
翌日も午前中2時間ぐらい釣りましたが、
結局めざましい釣果はなく、
僕の1年がかりの計画は
イワナ2匹という釣果で幕を閉じました。
でもまあ、釣りはこんな感じです。
大きな釣果を夢見てワクワクしている時が
一番楽しいかも。
あくまでも自然相手なので
予期しない大釣りをする時もあれば、
全く1匹も釣れない時もあります。
それは人間の事情なんてお構いなしです。
こちらがどんなに準備しようが、
釣れる時は釣れるし、
釣れない時は釣れない。
ただ、名人という人たちは、
釣りにくい環境の中でも結果を出すんです。
そこはやはり経験の差というものです。
まあ、無事にケガもなく、
下山から二日もしたら
あれほど激痛だった両膝の裏も何とか回復したし、
素晴らしいロケーションにも出会うことができたので
これで良しとしたいと思います。
あれだけしんどい目に遭いながら、
「来年もまた行こうかな…」
と性懲りもなく思っているトシでした。
釣りバカなので…
でももう少しキャスティング練習しないと…
Toshiya Oki
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お疲れ様でした。
山登りの後でハードな釣りは、想像以上に体力を消費するものなのでしょう。
山の水の冷たさは、過酷と言ってもいいくらいですしね。
薪ストーブは上手く燃焼させると排気力が凄まじいため、
空気より軽いCOは間違いなく排出されるのですが、
吸気にも気を遣わないとならないようです。
itchannさん
コメントありがとうございました。
なるほど呼気だけでなく吸気にも気を付けないといけないんですね!
勉強になりました。