どうしたの?
と思われますよね。
ご存じかとは思われますが、観光で来日する外国人の方々は、日本での観光を終えたら出国(帰国)します。
おおよそ2週間程度の観光ビザですのでさほど考えることはないのですが…
外国人留学生の方(日本に在留している外国人の皆さん)にとっては「在留資格」の存在は絶対なのです。(中長期滞在者に該当するため)
留学以外の在留資格も色々ありますが、それぞれ趣が違いますので、ここでは「留学」を例にお話をさせていただきます。
在留期間更新許可申請を怖れないでも大丈夫という意味は「在留期間更新は難しくはありませんよ」という意味なのですが・・・
留学生が恐がる=悪い結果を心配しているのです。
悪い結果とは「在留資格の不許可」です。
日本に「留学」での滞在は不適当なので、国に帰ってください。と同じ事なのです。
あがらう事も可能ではありますが、最終的に、あらがうには自らの正当性と審査結果の不当性を裁判所で立証しなければなりません。その間は自由の拘束をうけるし、裁判までの期間または費用がかかります。
実際、資格外活動許可違反をしている事実が審査資料の提出で明らかになって、不許可となっている訳ですので、戦っても勝てる可能性はほとんどゼロに等しいのです。(そう思います)
あのー、留学生ということは「学生さんですよね?」
そうです。
学校は卒業しているのですか?
いいえ、おそらく在学中になるでしょう。
それじゃ、日本に滞在できないということは・・・
はい、ご想像の通り「退学か除籍、又は休学」して母国に戻ることになります。
せっかく日本に留学して、約二年間日本語学校で勉強して、日本語能力が上がり、これからいろんなことを学ぼうとしていたのに、明るい未来が一瞬で消え失せた!
こんな感じだと思います。
どうして、こんなことになるの?(´;ω;`)
避けることができなかったのでしょうか?
避けることはできたと思います。
いろんな不幸な要因が重なって起こることだと考えますので、これだけやれば大丈夫!というものでもないでしょうけど、原因となるモノをちゃんと理解して、そうならないようにするための知識と行動をすることが出来なかったのです。
そりゃぁ外国人だから、日本語の理解が不十分なら仕方がないのでは?
そう言った意見もありますよね。
では、その決まりごとの説明をしていないのでしょうか?
いいえ、母国語でも日本語でもやってるし、実際、絵や図で説明しながらお話しされています。
それゆえ、知らなかった!
というのは無理があるのです。そもそも知らなければ、母国から日本に来る時点で、申請書類を作成するので不許可になって、留学のビザで日本に入国できていません。
母国で、説明があいまいだったとしても、日本で、日本語学校ではどこの学校もちゃんと説明をしているハズなのです。
なので、規則が守られていなかったという事と一度改善指導を受けていたことが致命的になるのです。
知っててやっている。というように判断されてしまいます。
しかし、留学生だけが悪いという事でもないのです。
母国から日本に留学をする時点で、日本への留学に対するイメージを悪い意味で刷り込まれていた。
日本に来て初めて、現実を知り、騙されたことに気が付いたが、どうしようもなくなり規則を破った。
と言うのが、割と多いのです。
これも、不許可を引き寄せた理由だと、留学生とお話をして感じているところです。
要約しますね(そうしないと30000文字くらいになりそうです)
・日本への留学には日本円で130万から200万程度かかること。
・留学したいが、そんな資金がない。
・日本留学の説明会(現地の業者から)、日本は裕福な国だ、アルバイトをすれば、1日5千から1万円稼げる。200万くらいすぐに貯まるから最初は苦しいけど後は楽になる。みたいな話を聞いて来ている。
・その話が、あまりにも魅力的だった、日本に行けばお金を稼げるぞ。
・少し無理して借金をしても、それなら返せる。
既に、留学で日本に行く=学び。ではなく日本に行く=お金稼ぎ。手段が留学生、という理由になってしまった。
日本に来て、日本語学校の先生から説明されるのは、資格外活動許可を申請すれば「アルバイトができるようになる」但し「一週間で28時間までしかできない」これは日本に来て分かったと。
お金稼げないの?話が違う?と悟ったときはもう遅かったのです。
支払った160万相当のお金は、戻らないというよりほとんど借金として残ることになる。
これを返すには、日本でお金を稼ぐしかない。
という最悪の状況に陥ったら、何を考えるか?
アルバイトを沢山やらないと借金どころか生活もできない。と考えるようになりますよね。
これは、まだいい方です。
日本の留学の制度を、百も承知で留学生として来日する出稼ぎ外国人も存在しているのですから。
今回不許可になった留学生は、アルバイトを沢山やりすぎたことが原因です。
資格外活動違反のため、不許可となったのです。
ただ一度注意は受けていたのに・・・
これが悔やまれます。
それも、前の在留期間更新で、あなたはアルバイトが多いですよ。約束通り週28時間を守ってください。そうしないと次の在留期間更新の審査で良くない結果になる可能性があります。改善してください。という指導を,受けていたようです。
つまり、ダメですよ、注意して、今度は守ろうね!と優しく諭され、はい、守ります!と言ったのに、行動を改めていないと判断され、これは改善する意志が無い。とみなされての結果です。
もし、前回の審査後は約束をも持っていれば、許可されていたでしょう。
・・・
この留学生は、それから30日以内に泣く泣く母国に戻っていきました。
もちろん、見送りに行きました。
国際空港の出国ゲートに入り、それから、出国審査を受け、搭乗ゲート近くまで到着したことを確認できたので、見送りはそこで終わりです。
ここまでするんですか? 出国ゲートに入ったらそれ以上は必要ないのでは?
はい、普通、そうですよね。出国ゲートをくぐった時点で戻れないと考えます。ところが、出られるそうなのです。
忘れ物をしたとかで、この時点では、荷物検査までしかしないので、次の出国審査ゲートまでの間がグレーゾーンなんだと、聴きました。なので、ここまで確認します。
こういったことまでも、やらないといけないのですよ。
留学生30万人計画が達成された今、今後留学生をシャットアウトする計画は政府にはないようですが、留学生の受け入れ審査は厳しくなってきています。「留学生としてはどうなの?」という外国人をこれまでは受け入れてきた理由はこの30万人計画だったから?厳しい審査では到底達成できなかったのでは?と今は勘ぐってる所もありますけど…
これから厳しくしていくんだぁ・・・。
それぞれの言い分があるでしょうから、是非論は致しませんが、日本語学校さんは、真っ青になっているかもしれませんね。
内容はずいぶん割愛していますが、日本人が外国に留学するとき「経費支弁をきっちり準備して望んでいる」ハズですので、基本それと違いはないのです。私費留学生はこの辺が「日本にさえ入国できれお金だって何とかなる」みたいな安易な考えとしか言いようがない決断で来ている。この安易さは「留学生」とではなく、日本でお金を稼ぐ目的であるなら、なんとなくわかる気がしています。受け入れる出入国管理局も今後は厳しい審査を行うようですし、2020年4月からは国籍によって審査の厳しさも違うようですよ。
ではこの辺で。(笑)
最後(?)までお付き合いいただきありがとうございます。
haruto
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