売りたいものを売り付けてはいけない

前回は、松下幸之助氏の名言「客の好むものを売るな 客の為になるものを売れ」という言葉を体現されていた、素晴らしい方の紹介をした。

今回は、その逆パターンで、「こんなに下手な営業、された事が無い」という話をしたいと思う。

それは、筆者が車の定期点検に行った時の話だ。
今年入社したという新人の営業くんが自分の担当になった。
車の点検中、雑談から入り、車の話へ…。
筆者の今の悩みを率直に話してみた。
「車自体は気に入っているのだが、月々のローンが厳しい。何か良い手は無いだろうか?」と…。
また、筆者はその車と、その他の車にも搭載されている或る機能が好きで、買い替えるなら、今のミニバンからコンパクトカーにしても良い、という事…。
話を聞いていた新人くん、「ちょっと考えてみます」という回答。
それでその場は話が一旦終了した。

後日、別件で来店すると、営業くん、待ちきれませんでしたと言わんばかりに営業を開始した。
もうすぐ、全く新しいタイプの車が出る、ということ。
一度、筆者の車の査定をしてみます、ということ。
また、筆者が買い替えても良いと言った車の大体の相場もお持ちします、ということ。

暫く待っていると、筆者の車の査定額を携え戻ってきた営業くん。
まだ新しい事もあり、筆者の車は売るとマイナスになってしまうとの事。
そこで話が終わるのかと思いきや、「同じ金額を出せば、コンパクトカーが買えますよ」と言い始めた。
これにはさすがに呆れて、「車格が落ちて、月々の支払が変わらないんじゃ、何の為の買い替えか分からないじゃないですか?」と答えた。
まさに、客の為になるものを売る、の真逆、自分の売りたいものを売る、の典型だ。
それでも、結構しつこく食い下がる営業くん。
埒が明かないので、早々に退店する事にした。

すると、トドメの一言。
「スタッドレスタイヤは御入用ではありませんか?」
筆者は引っ越して来て最初の冬を迎えようとしていたので、この辺りがどの様な天候なのか知らない。
それに、車は寒冷地仕様ではないし、スキーを積む装備も付いていない。
筆者が
「この辺って、冬は雪が降るんですか?」
と聞くと、
「いえ、降りませんよ」
との応え。
もう完全にこの人を信用する気が失せてしまった。

この新人くんの性格なのか、その店のカラーなのかは分からないが、筆者の故郷の店では少なくともこんな酷い営業はしていなかった。

すぐ近所だし、点検もパックになっているから、その店を使う事は使うが、商談をするのに信用に足るかと言われると大いに疑問だ。
一度失った信用を取り戻すのは難しい。

少なくとも自分はこんな酷い応対はしない様に心掛けよう、と反面教師にしたのであった。

The following two tabs change content below.
FuGu21

FuGu21

愛車のセレナ e-POWER、Xperia、美味しい物、旅行、映画、お笑い、フットボール、アニメ・漫画・ゲーム(ゆるいオタクw)をこよなく愛するしがないシステムエンジニアです。休日ライターとして楽しいを発信していきたいです。自分が良いと思った物を人に勧めるのが好きなので、見つけたお勧め情報を皆さんにご提供していけたらと思っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です