巨人・中田翔(34)のFA移籍、立浪監督との10年前の“遺恨”で八方塞がり
巨人の中田翔(34)はフリーエージェント(FA)権の行使を求めているが、
現時点で感触はあまり芳しくない状況だ。
複数球団が興味を示している西武の山川穂高(31)とは対照的だ。
ここに来て中田は巨人残留を視野に入れ、移籍は一気にトーンダウンしている。
たとえ巨人に残留しても出番の保証がないことも分かっているだろう、
例えば今季終盤、原辰徳前監督は三塁だった岡本和真を一塁に回した。
この采配は来季は中田抜きの布陣で臨むことが明白だからだ。
阿部慎之助新監督も来季の予想ポジションに中田の名前を出さなかった。
中田は子どもの学校のことを持ち出し、引っ越す予定が無いと
巨人に残留してもメンツが保てるように今からその理由を挙げたのだと感じた。
中日の立浪和義監督(54)との「10年前の遺恨さえなければ……」と囁かれいる。
貧打に苦しむ現在の中日の補強ポイントに中田は一致するはずだが、
中日が中田獲得に後ろ向きな理由は、立浪監督が打撃コーチを務め、中田が日本代表
入りした2013年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でのすれ違いを挙げる。
当時、立浪監督は粗さが課題だった中田に足を上げずにすり足にするフォーム
に変えるよう助言した。
中田はすり足を試したが、長打が出なくなり助言に背いて勝手に元に戻した。
短期間で結果を求められる中で、意思疎通が十分ではなかった。
2人にはギクシャクした関係が生まれてしまったのだ。
また中田はホームランが日本一出づらい本拠地球場(バンテリンドームナゴヤ)
を敬遠しているし、打撃観が異なる立浪監督がいる中日には行きたくないだろう。
補強ポイントという点では、ソフトバンクも右の獲得が悲願だが、
中田でなく、知人女性とのトラブルを起こした西武の山川に関心を持っている。
球界は女性絡みの問題にはいまだに寛容なところがあるからだ、
八方塞がりの事態を打開する最善手として、「ノンテンダーFA」という制度が有る。
MLB球団でコストに見合わなくなった主力選手に対する手法である。
FA権は日本シリーズ終了翌日から土日を除く7日間以内に行使するかどうかを
表明しなければならない。中田の決断の時は刻一刻と迫っている。
