暗号資産の利益税率は50％？税金の基礎

ついに700万円に到達したビットコイン

個人投資家の中には、株式投資やFX取引の他、暗号資産に投資している方も数多くいらっしゃると思います。

先日もビットコインが700万円を突破したと思ったら、その後5月に300万円代に値下がりするなど、かなり心臓に良くない動きをしています。

ところで、暗号資産に投資している人は多いものの、暗号資産の税金については「あまりよく知らない」という方もかなりいらっしゃると思います。

ビットコインをはじめ暗号資産が大きく値上がりしましたので、税金はしっかりと押さえておきたいところです。

 

暗号資産のもうけは『総合課税の雑所得』

個人で暗号資産への投資をしている場合について説明をしていきます。

上場株式の売却益は税率は20.315％、先物・オプション取引やFX取引での利益は税率は同じく20.315％です。

暗号資産の税金はこれらとは大きく異なります。個人が得た利益（所得）には所得税・住民税が課税されますが、暗号資産の売却益は「総合課税の雑所得」となります。

総合課税なので給与所得や事業所得、不動産所得など他の所得と合算の上、所得が多くなれば税率が高くなる「累進課税」の扱いとなります。

上述のように、暗号資産では利益額が大きいと50％を超える税率となることもあるのです。

 

暗号資産の取引で損失が生じた場合は？

暗号資産の取引により、年間で損失となった場合は、その損失を翌年以降に繰り越すことができません。

他に総合課税の雑所得がある場合は、それと暗号資産の損失を相殺することはできます。該当する方は少ないかもしりません。

上場株式は損失を翌年以降3年間の繰り越し、将来の利益と相殺することができるのですが、現時点で暗号資産についてはそのような恩恵がないのです。

 

上場株式、FX取引の損益と損益通算はできない

そしてもう一つ、暗号資産の損益と、上場株式やFX取引の損益とを損益通算することもできません。

理由は、上場株式は「分離課税の譲渡所得」、FXは「分離課税の雑所得」であり、「総合課税の雑所得」である暗号資産とは所得区分が異なるからです。

ですから、暗号資産で利益と、上場株式の売買で損失の両者を損益通算して税額を減らすことはできないのです。

 

【税率一覧】暗号通貨の所得は総合課税の対象になる

税法では所得の種類によって、総合課税と分離課税という2つの区分です。総合課税は、納税義務者のすべての所得の総額にまとめて課税する方法なのです。一方、分離課税は、所得の種類によって課税していく方法です。

雑所得は総合課税の対象となるため、給与所得と合計し、その金額によって所得税率が決まってしまいます。また、所得税は額が増えるほど税率が上がる累進課税なので、予想外の税額になってしまう可能性もあります。

＜所得金額による所得税率＞

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5％ 0円
195万円超330万円以下 10％ 97,500円
330万円超695万円以下 20％ 42万7,500円
695万円超900万円以下 23％ 63万6,000円
900万円超1,800万円以下 33％ 153万6,000円
1,800万円超4,000万円以下 40％ 279万6,000円
4,000万円超 45％ 479万6,000円

 

暗号通貨にかかる税金の計算方法

 

暗号通貨の売却で得た所得額

暗号通貨の取引所でビットコインを売って、収益がでた場合の計算法です。この場合、暗号通貨の取得価額と売却額の差が、所得金額となります。

100万円でビットコインを2BTC購入し、年内に0.5BTCを20万円で売却した場合の所得額は以下のとおりです。

20万円－（100万円÷2BTC）×0.5BTC＝5万円 → 所得額は5万円

 

暗号通貨を購入した場合の所得額

取得価額と、購入時の商品の価格との差が所得になります。

100万円でビットコインを2BTC購入し、年内に15万円の商品を0.2BTCで購入した場合の所得額は以下のとおりです。

15万円－（100万円÷2BTC）×0.2BTC＝5円 → 所得額は5万円

また、100万円でビットコインを10BTC購入した後に、1BTC＝20万円に値上がりし、150万円（5BTC）で商品を買った場合、所得額は以下のようになります。

150万円－（100万円÷10BTC）×5BTC＝100万円 → 所得額は100万円

 

ほかの暗号通貨と交換した場合の所得額

保有している通貨で別の通貨を買った場合は、支払った通貨の取得価額と購入した通貨の取得価額の差が所得金額となります。前項の「商品を購入した場合の所得額」と同じ考え方です。

例えば、100万円でビットコインを2BTC購入し、年内にほかの仮想通貨を150万円分買うために1BTCを支払った場合の所得額は、以下のとおりになります。

150万円－（100万円÷2BTC）×1BTC＝100万円 → 所得額は100万円

 

暗号（仮想）通貨まとめ

暗号（仮想）通貨は雑所得は総合課税の対象となるため、給与所得と合計し、その金額によって所得税率が決まってしまいます。

所得税は額が増えるほど税率が上がる累進課税なので、予想外の税額になってしまう可能性もあります。

利益が出た場合は、くれぐれも、お気をつけください。

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大阪在住のヒデちゃんです。若作りしていますが、定年退職が数年に迫っている、エンジニアです。親の介護のため高速バスでの里帰りする毎週末。いじめから登校拒否になってしまった子どもとの手探りの日々。様々な人生の選択肢に後悔しながら走ってきました。残された人生の自分探しと輝くためにインターネットビジネスの領域に挑戦を始めました。人生の良い選択肢ができる情報や趣味のアウトドア、旅行、 PCのお役立ちネタも提供していきますので、ご興味があれば見てください。
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