テレビを見ていると、どの時代にも人気占い師が存在していることに気づきます。
特に有名な占い師は高収入を得ていますが、
占いの場面を観察すると興味深い現象が見られます。
お客さんが「当たっています!」と喜び、自分の特徴を認められて嬉しそうにする様子から、占いは単なる未来予測以上の意味を持っているようです。
実は、占いの本質は深い対話にあるのかもしれません。
自分について誰かと話し、理解してもらえる体験や、
気づいていなかった自分の一面を発見できる機会として機能しているのです。
このような体験は、実は居酒屋での会話でも時々起こることがあります。
ここで思い浮かぶのが、素晴らしいコミュニケーション能力を持つ人々の存在です。
性別や年齢に関係なく多くの人から慕われる人、
話していると心地よい気持ちになれる上司や経営者、
小料理屋のお母さんのような温かい存在。
これらの人々に共通するのは、相手を深く理解し、受け入れる姿勢です。
以前は、このような優れたコミュニケーション能力は
生まれつきの才能だと思っていました。
しかし、コミュニケーション技法を学ぶことで、
これらのスキルは習得可能だという考えに変わりました。
その鍵となるのは、他者の世界観を理解し、尊重する姿勢です。
人それぞれが持つ「正しさ」は異なります。
まるで違う辞書を使っているかのように、各人が独自の解釈や価値観を持っています。
優れたコミュニケーターは、この事実を深く理解し、
相手の「地図」(物の見方や考え方)を尊重しながら対話を進めているのです。
このように考えると、占い師の人気の秘密も、
相手の世界観を受け入れ、共感的な対話を行う能力にあるのかもしれません。