東福寺への入り口は、北大門・中大門・南大門の三つになります。
その門をくぐって行くと、臨済宗東福寺派25の塔頭寺院(たっちゅうじいん)が建ち並んでおります。
最盛期には、100を超える塔頭寺院があったと言われています。
東福寺へは、JR奈良線・京阪本線「東福寺駅」を下車して、南へ徒歩で約10分ぐらいです。
東福寺は、一年を通じて一般に公開されている塔頭寺院がある一方で、いつもは非公開となっているお寺も数多くあります。
でも、春や秋の行楽シーズンは特別で、特に秋は特別拝観が催されており、かなりの観光客が来られます。
そして、観光客のメインの入り口となっているのが日下門(にっかもん)で、この門を抜けた先に、臨済宗東福寺派の大本山東福寺があります。
そこは、広々とした境内に日本最古として最大級と言われる大伽藍(だいがらん)が建ち並んでおります。
とても圧倒されます。
東福寺が創建されたのは、鎌倉時代中期(1236年~1255年)で、巨大な伽藍は19年の歳月を費やして完成しました。
寺院の建築期間としては、異例の長期間だったみたいです。
東福寺の名前の由来は、奈良の立派な東大寺と興福寺にあやかり、東大寺の東と興福寺の福で、東福寺と名づけられたそうです。
そして、東大寺に習い、大きな建物や大仏が造られました。
しかし、相次ぐ火災で多くの伽藍の焼失と再建が繰り返され、大仏も明治14年の火災で失われる中、僧侶たちが持ち出せたのは大仏の左手のみでした。
その左手は、非公開の建物に祀られております。
東福寺の南にある、もっとも古い建築物の一つとして、六波羅門(ろくはらもん)があります。
これは、鎌倉幕府が朝廷の動きを監視するために、京都に設けられた六波羅探題(ろくはらたんだい)から移築された物みたいです。
それから、六波羅門の東にあるのが、天皇の使者が出入りをする勅使門(ちょくしもん)で、ここがいわゆる東福寺の正面にあたります。
そして、勅使門をくぐった先にあるのが、国宝三門です。
これは、横幅25メートル、高さ22メートルで、現存する禅宗寺院の三門としては最大で最古です。
三門とは、三解脱門(空門・無相門・無作門)の略で、禅の悟りに達するために通らねばならない、三つの境地を門に見立てています。
そして三門は、門でありながら東福寺の大伽藍を形成するお堂の一つでもあります。
三門は、大仏様・和様・禅宗様と呼ばれる、三つの建築様式が用いられていて、再現困難な建築と言われております。
普段は見ることができないのですが、秋に特別拝観できる楼上内部には立派な仏間があり、中央に鎮座しているのが、宝冠釈迦如来像(ほうかんしゃかにょらいぞう)で、仏教を開き悟りの境地に達した35歳のお釈迦様の姿だそうです。
そして、周囲を取り巻くのが、十六羅漢像(じゅうろくらかんぞう)で、仏教の教えを正しく広めるために、この世にとどまるようにお釈迦様から命じられた仏様です。
それから、天井には画僧として、東福寺に仕えた吉山明兆(きっさんみんちょう)の天井画があります。
明兆は、周囲からは禅僧としての高い位を望まれましたが、自ら絵を描く道を選び、東福寺初の寺院専属の絵師として大成しました。
さらに、三門の天井画以外にも数多くの作品を東福寺に描き残した明朝は、のちに東福寺が紅葉の名所となるきっかけを作った人物でもあります。
紅葉や他の建造物については、また次回お話させていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
nuts
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