老後の資金計画:何歳からいくら必要か?

老後の生活を安心して送るためには、どれくらいの資金が必要なのでしょうか?公的年金と私的資産をうまく活用しながら、老後の資金計画を立てることが重要です。この記事では、具体的なシミュレーションを交えながら、老後の生活費と必要な貯蓄額を解説します。

1. 老後の生活費はいくらかかる?

総務省の「家計調査」によると、夫婦2人世帯(無職世帯)の平均支出は約27万円/月、単身世帯では約16万円/月とされています。ただし、これは全国平均のため、都市部か地方か、持ち家か賃貸かによっても異なります。

また、老後の生活費は「基本生活費」と「ゆとり費」に分けられます。

  • 基本生活費:食費、住居費、光熱費、通信費、医療費などの必須支出
  • ゆとり費:旅行、趣味、交際費などの生活を充実させるための支出

一般的に、「ゆとりある老後」を過ごすためには、夫婦で月額35万円程度が必要とされています。

2. 公的年金はいくらもらえる?

公的年金(国民年金・厚生年金)は老後の主な収入源ですが、支給額は加入状況や納付期間によって異なります。

① 国民年金(自営業・フリーランスなど)

  • 満額支給額(2024年度):約6.8万円/月(年間約81万円)
  • 夫婦2人分:約13.6万円/月(年間約163万円)

② 厚生年金(会社員・公務員)

  • 平均支給額(夫):約15万円/月(年間約180万円)
  • 平均支給額(妻:専業主婦):約6.8万円/月(年間約81万円)
  • 夫婦合計約22万円/月(年間約260万円)

3. 公的年金だけで足りる?

例えば、夫婦で「ゆとりある老後」(月額35万円)を目指す場合、公的年金(22万円)では毎月約13万円不足します。

不足分を補うためには、 13万円 × 12ヶ月 × 20年(65歳〜85歳)=約3,120万円の貯蓄が必要になります。

4. 老後資金はどのように準備する?

① iDeCo(個人型確定拠出年金)

  • 掛金が全額所得控除され、運用益も非課税。
  • 60歳以降に年金または一時金として受け取れる。
  • 会社員なら月額2.3万円、自営業なら月額6.8万円まで積み立て可能。

② つみたてNISA・新NISA

  • 運用益が非課税の長期投資制度
  • 2024年から「新NISA」が始まり、非課税枠が拡大。
  • 年間360万円まで非課税投資が可能(成長投資枠+つみたて投資枠)。

③ 企業型DC・退職金

  • 企業が提供する確定拠出年金(企業型DC)を活用
  • 退職金制度があるなら、計画的に運用

④ 70歳まで働く

  • 年金を**繰下げ受給(最大75歳まで)**すると、受給額が最大84%増加
  • 70歳まで働くことで、公的年金+私的資産の不足額をカバーできる。

5. 老後の資産計画シミュレーション

【ケース1】夫婦・厚生年金あり・65歳リタイア

項目 金額(年間)
生活費(ゆとりある老後) 420万円(35万円×12ヶ月)
年金(夫婦合計) 260万円
不足額 160万円
20年間の不足額 約3,200万円

【ケース2】単身・国民年金のみ・65歳リタイア

項目 金額(年間)
生活費(基本生活費) 192万円(16万円×12ヶ月)
年金(国民年金) 81万円
不足額 111万円
20年間の不足額 約2,220万円

6. 何歳までにいくら貯めればよい?

仮に、65歳時点で3,000万円の貯蓄を目標とすると、以下のようなペースで貯める必要があります。

年齢 貯蓄目標額
30歳 500万円
40歳 1,500万円
50歳 2,500万円
60歳 3,000万円

50歳以降は運用や資産形成を本格化させることがカギになります。

まとめ

老後の資金計画は、「生活費の見積もり」と「年金+貯蓄のバランス」を考えながら進めることが大切です。

まずは老後の生活費を想定する(基本生活費+ゆとり費)
公的年金の受給額を確認し、不足分を計算する
iDeCo・NISA・企業年金を活用し、計画的に資産形成をする
65歳リタイアが難しい場合は、70歳まで働くことも選択肢に

今からでも遅くありません。少額でもコツコツ積み立て、老後に向けた安心の資産計画を立てましょう!

 

資産形成ガイド

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モーリー

モーリー

はじめまして、モーリーと申します!42歳、妻と2歳の娘と暮らす3人家族のパパです。介護士として働きながら、新たな挑戦に取り組んでいます。 2022年に脳出血し、もやもや病が発覚。開頭手術を乗り越えて復職。その後、2023年にケアマネ試験に合格、2024年にはFP 2級資格も取得しました。現在はAI学習やライティングを学んでいるところです。 介護や資格取得のコツ、そして日々の暮らしの中での気づきを発信したいと考えています。困難に立ち向かう方や新しい挑戦をしたい方に役立つ情報をお届けできれば幸いです。よろしくお願いします!

老後の資金計画:何歳からいくら必要か?」への2件のフィードバック

  1. ぐでりん より:

    こんにちは。

    老後の生活をあまり考えないまま暮らしているので
    参考になる記事で勉強になりました。

    お金の備えと、健康な体作りを心掛けたいですね!

  2. モーリー モーリー より:

    ぐでりんさん
    コメントありがとうございます。
    参考になれば幸いです。

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