とうとうイタリアに到着!
しかし、ここはまだローマではない。
乗り継ぎのミラノ空港で、十数時間ぶりに地上に降りる。
初めての海外。
文字通り、海の外、
ここは日本とは地続きではない大陸なのだ。
出発する前は、どれほどの感動がそこにあるのだろうと
まだ経験したことのない体験に胸焦がれていた。
いざ、到着してみると、
・・・・・そんなでもないww
感動したのは確かであるが、
感動に打ちひしがれて息が出来なくなるほどではない。
その理由の一つとしては、
飛行機から降りる人の波の中で、
迷わないように意識を集中していたからだ。
言葉の通じない異国の地で迷うわけにはいかない。
乗り継ぎ便の搭乗口も確認しなくてはならない。
この旅行はガイドなしのツアーである。
日本語で尋ねることができる相手は周りにいない。
これは新婚旅行。
同行している妻をガイドするのは自分のみ。
自分自身で空港内の配置や状況を把握しなくてはならない。
気が張っていた。
今にして思えば、もっと旅を楽しめばよかった。
ハプニングすら、望んで体験するように。
まあ、余裕がなかったのだから致し方ないことではあるが、
それにしても、本末転倒で、不器用だったと思う。
それでも、一通り移動と次の行動の把握ができたころ、
目の前にはコーヒーカウンターがあった。
乗り換え便への登場まで1時間強。
時間を潰すにはもってこいだ。
わたしは、ここで初めて、異国での買い物を体験する。
カウンターに向かい、メニューを眺める。
幸い、そこには日本でも見慣れた「コーヒー」の姿があったw
国際空港なので、英語表記もある。
英語を話せるわけではないが、おおよその商品概要は理解できる。
メニューを指さし、二つ頼む意味で指を二本立てる。
販売員のイタリア美女が私の目を見て、ほほえみながらうなずく。
通じた。
私は、意図したとおりの商品を、意図したとおりの代金で購入し、
意気揚々と、両手に紙コップをもち、妻の待つシートに戻っていく。
ここで、ようやく周りの様子を知覚できるようになったのだろう。
余裕が、視野や知覚空間を広げたらしい。
なんてきれいな空港なんだろうかと感じ入る。
壁や床の色は、単なるクリームホワイトではない。
何というか、視覚と体に染み込んでくるような安心感がある。
それでいて、印象はシャープで無機質。
「洗練」という文字でしか感想を語れないのが悔しい。
さらに語るならば、映画か何かで見た宇宙船の内部のような、
未知で整然と整備された人口建造物内の空間。
だが、それは紛れもなく地球人の
占有スペースであるというような安心感。
そして、周囲に飛び交う異国語のラッシュアワー。
何を言っているのかは全く分からない。が、
言葉を発している人の性別と、感情はすぐに理解できる。
そんな空港内の一角で、
先ほど買ってきたコーヒーに口を付ける。
日本で飲んだことのある味とは違うのだろうが、
間違いなくコーヒーであった。
そして・・・・、
美味しかった。
きりたん
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